TRAINEE

研修生の皆さまへ

お客さまコード「EKGM23」
第12回 ミドル社員研修会

企業組織論設問集GSU23
回答及び回答根拠

 

2023.11.02.

お疲れさまでした。日頃意識しないようなことを意識し、考えないようなことを考えた時間は、新鮮なひと時ではありませんでしたか?

人間は慣習の動物です。つまり「慣れ」るのが得意なのです。どんなに高度なことであっても、一度できてしまえば、あとは繰り返せば繰り返すほど慣れていきます。

「慣れ」とはエネルギーの省力化のことを言います。慣れるに任せるばかりでは、どんどんとエネルギーが省力化され、その延長線上で思考エネルギーも行動エネルギーも矮小化していき、つまるところマンネリ化します。

ですから「慣れに任せておく」だけではいけません。

考えの切り口を変えてみる。思考パターンを変えてみる。更に効率化、高品質化、高満足度のアウトプットを模索してトライ&エラーを繰り返してみる。そうした飽くなき戦いの連続線上に仕事の充実、成功、人生の充足、幸せがあるのです。

しかし、ベースとなる仕事の基本的な価値観については、そうコロコロと変わってしまっては困ります。基本的な価値観がコロコロと変わるようでは、それは縦横無尽の応用ではなく支離滅裂となります。無茶苦茶です。

そうしたことにならないように、皆さまには仕事に関する基本的な価値観について、ほんの一部分ではありますが、とても重要な部分を学び直して頂いたわけです。

その学びの準備運動として、2年前の学習を踏まえながら新しい設問集「企業組織論設問集GSU」に取り組んで頂いたわけですが、本日は時間の都合で設問に対する正答解説が十分に実施できませんでした。

従って研修事後に、当該設問集の下記正答解説を読んで、2年前の学習を踏まえた応用がしっかりとできていたかどうかを確かめておいてください。貴重な振り返り学習となることでしょう。



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企業組織論設問集 GSU回答根拠[概要]

─ 2回目受講者用 ─



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設問№1.企業組織において社員にはさまざまな役割と責任が課せられているが~

役割を担うだけでは責任を果たしたことにはならない。役割を担い、求められる或いは期待される成果を具現して、はじめて責任を果たしたことになる。つまり「役割を担う≠責任を果たす」であって「役割を果たす=責任を果たす」ということ。よって・・・[✕]

設問№2.責任とは言ったこと、やったことに対する評価、処遇を~

事件や事故があった場合、社会的な責任をとるという局面では「辞める」ことが真っ先に頭に浮かぶ。しかし、これによって形式的且つ表面的な道義上の責任は明らかになっても、責任が果たされたことにはならない。

さて、それでは「責任」とはなんぞや。

それは「言ったこと及び言わなかったこと、やったこと及びやらなかったことに対する正当な評価、処遇を無条件で受け入れる義務」のことをいう。

評価も処遇もプラスばかりではない。マイナスのものもある。そして「責任をとる」という場合、それはマイナスのものがメインになる。

社会的に「辞めろ」と言われれば辞める。民事的に「賠償せよ」と言われれば賠償する。元に戻せと言われれば、できる・できないはあるものの、基本的には元に戻す方向で尽力する。或いは代替え案を提示して意に沿う形で収める。罵詈雑言を浴びせられても弁解せずに受け入れる。そうしたことが評価、処遇を無条件で受け入れるということ。

政治家や公職にある人々が事件のたびに「辞めて」責任をとるという形を示すものだから、いつの間にか「辞める」=「責任をとる」という社会的暗示がかかってしまったが、本来、責任をとるということはそういうものではない。彼らは往々にして攻撃の矢面から避難するために「辞める」ことを利用しているに過ぎない。

ところで設問文章には「言わなかったこと」「やらなかったこと」には触れられていない。これでは「なにも言わない、やらない方が無難、いやむしろその方が正解」という考え方がはびこってしまう。これではまずい。明らかに言葉足らず。よって・・・[✕]

設問№3.多くの社員が課せられた役割と責任をうまく果たしていくためには~

社員に課せられた4つの役割と責任及び機能構図に明らかなように、リーダーシップは全社員に求められる力である。企業組織では現代においてこれを「特定の目的,目標に向けられた対人間関係の影響力」と定義しており、職位によって求められる力の差こそあれ、全社員に対してこれを求めている。対人間関係の影響力を持たない人間が、人の思いと思いがぶつかり合う現場第一線で、どうして思うような成果を残せようか。

リーダーシップは特定の責任者や熟練者のみが発揮すべき力ではない。全社員が発揮すべき力である。よって・・・[✕]

設問№4.社員に課せられた4つの役割と責任には、一般的に認識される~

設問文はそのまま正しい解説である。

社員に課せられた4つの役割と責任及び機能構図の左半分の役割責任(目標達成管理・自己成長及び部下や配下の指導育成)は、公式的な側面として「管理者と言えば先ずこれだな」と認識されている。

一方で右半分の役割と責任(問題解決・職場活性)は公式的な側面の陰に隠れがちであるが、しかし管理者であれば当然担い、果たしていかなければならない役割と責任である。

従って陰に隠れがちな分、ともすると本人の自覚が曖昧であるケースがあり、この役割と責任の遂行が脆弱となり、結果左半分(目標達成管理・自己成長及び部下や配下の指導育成)の公式的な役割と責任を果たしていくうえでのベース(問題解決)が揺らぎがちである。注意が必要だ。

また、構図の上半分(目標達成管理・問題解決)は業績的な側面であり成果が認知容易であるのに対して、下半分(自己成長及び部下や配下の指導育成・職場活性)は人間的側面であり成果が見えにくい。

従って見えにくいことに胡坐をかいて、これに取り組むエネルギーが不足しがちでもある。

しかし業績をあげるのは人間である。人間的側面に充分なエネルギーが注がれていないと、結果として早晩業績的側面も不充分となる。要注意。

設問そのものは・・・[〇]

設問№5.社員に課せられた4つの役割と責任について、その優先順位は~

社員に課せられた4つの役割と責任はそれぞれを絡めながら同時に担い、果たしていくべきもの。仕事はできることは同時に進めるのが基本。一方、作業は一つひとつを着実に進めるのが基本。社員に課せられた4つの役割と責任とは、即ち仕事の本質的な4つの切り口であり、仕事である以上、同時に進めることが基本である。よって・・・[✕]

設問№6.一般的に言われるところの「改善」とは~

「解決」に比べて、もっと柔らかいイメージのある「改善」だが、それは、対峙するギャップの大きさに違いがあるだけの話である。「解決」はあるべき姿と現状とのギャップが大きい場合に用いられ、「改善」は小さい場合に用いられる。つまり、「改善」とは専ら発見する問題において、そのギャップを埋める際に用いられる。もちろん改善であれ解決であれ、いずれにせよ問題解決である。よって・・・[〇]

設問№7.経験や勘など、形のないものに頼って問題解決をしているようでは~

直面する問題は「待ったなし!今すぐ対応しないととんでもないことになる!」という類の問題。じっくり構えていてはすぐに「とんでもない」ことになる。時に充分な分析も、討議も、いわんやリハーサルの時間もない。従って直面する問題の解決に臨んでは、先ずもって「経験」「勘」「決断力」に頼らざるを得ない。これ以外に拠り所になるものはない。これを無視して直面する問題に対応すれば高い確率で失敗する。

また、直面する問題は減らすことはできても、決して「0」になることはない。世の中、そんなに簡単ではない。いつどこで降って湧いたような問題に直面するかわからない。従っていつまで経っても、そしていつの世であっても「経験」「勘」「決断力」は必要であり続ける。よって・・・[✕]

設問№8.問題の3類型で言う「発見する問題」とは、即ち発見すべき~

設問文章の通り。また、別に「隠れた問題」「潜んでいる問題」「水面下の問題」「縁の下の問題」などと表現される場合もある。・・・[〇]

設問№9.実際の職場の問題解決では、①じっくりと腰を据えてとりかかる~

直面する問題解決に臨む場合、設問文章の①②③は不向きである。このように悠長なことをしていたら取り返しのつかない事態を招く。

しかし、時間的に余裕がある場合の発見する問題や、また創造する問題については、この手順が適している場合も多くある。

時間的に余裕がある場合の発見する問題や、創造する問題の解決に取り組む場合、直面する問題ほど差し迫っていなく、従ってさほど困ってはおらず、解決までにある程度の余裕がある。このような場合に限っては、プロセスに時間をかけることが可能となるので、関係者の英知を結集、同時に関係者に当事者意識を植え付けながら、つまり関係者を巻き込みながら、じっくりと問題解決のプロセスを踏むことができる。従って、より緻密で実効性のある問題解決が可能となる。

実際の職場業務には、直面する問題・発見する問題・創造する問題の3つが混在している。しかし設問文ではその辺りを区別せず、一緒くたにして時間的余裕のある解決方法を良しとしようとしている。よって・・・[✕]

設問№10.職場を挙げての問題解決において、その対策立案に臨んで~

設問文章で言っているのは、他責で立てた対策を相手に押し付けることであり、これは不適切。

原因追究については自他責両面からアプローチして問題を正しく概念化し、対策立案は各自が自責に徹して行うことが基本である。つまり「自分にできること」「自分がすべきこと」に集中するということである。

ビジネスにおいて相手に要望を申し入れることは必要なことだが、しかし問題解決の対策立案で一番重要なことは、問題解決に取り組む各人が先ず自責の施策を講じることである。「あの人が〇〇してくれたら・・・」と考える前に、「私が〇〇する・・・」という発想が重要である。

それを尽くした上で、プラスアルファの要望を伝えあうことも準じて必要。

設問文章では最も重要なこととして「他責対策を他者に強いる」ことが挙げられており、一番重要な「自責対策を講じる」ところが抜け落ちている。よって・・・[✕]

設問№11.慣用句の一つに「転ばぬ先の杖」というものがあるが、これは~

設問文の通り。「転ばぬ先の杖」や「備えあれば憂いなし」の教えは創造する問題でいう「問題の先取りによる未然防止策」であったり「リスクマネジメント」などに相当する。

問題が起きたら対応するのは当然として、問題が起きる前から問題を想定し、それに備える或いは未然防止策を講じておくというのはハイレベルな問題解決である。

問題解決のレベルを例えて言うなら以下の通り。


①子供のレベル・・・
 問題が起きて困ったら対応(直面する問題解決)

②普通の大人レベル・・・
 問題の起こり始めで気づき、大きく困る前に対応(発見する問題解決)

③できる大人のレベル・・・
 問題が起こる前に想定して未然防止或いは対応策を事前準備(創造する問題解決)し、一方では自らがレベルアップすることによってより大きな問題解決に対応できるようにしていく


よって・・・[〇]

設問№12.問題はないに越したことはない。問題がないことが一番平和で~

問題がないことが問題である。

仮に直面、発見する問題がなかったとしても(※通常はそういうことはあり得ないが・・・)、創造する問題を持ち合わせていないなら、それ以上の進歩は見込めない。

同時にそれは堕落、退歩の始まりを意味する。よって・・・[✕]

設問№13.問題解決において、しっかりとした善後策を講じることによって~

「雨降って地固まる」

設問№14.下記文章は、ビジネス界における理想とすべき問題解決マインドを~

1つ目空欄:「退歩」

2つ目空欄:「経営危機」


時代は日進月歩、否、一分一秒どんどんと進化している。昨日までのあるべき姿が今日にはもう古臭くなり、前週までの基準が今週には陳腐なものとなり、前月までのベースは今月にはまったくもってあてにならない過去のものとなる昨今である。

昨日までの売れ筋商品が今日は在庫の山・・・そういう話はどこにでも転がっている。

あるべき姿の基準が猛スピードでより高次元へと推移していっているのだ。

従って、いくら儲かっていても、その事業内容が前年並みであるとするなら、例えば仕入れ、技術、商品、流通、サービス、価格、売上、利益、顧客満足などなどに変わりがないようなら、確かに当期の儲けはあるかも知れないが、既に進化常なる時代から取り残され始めている可能性がある。

危機感を持たなくてはならない。現状維持を2~3年繰り返している内に、もはや追いつくことのできない高次元へと時代や競合他社が進んでしまっているかも知れない。

設問№15.問題解決型人材=仕事型人材(=人財)になるためには~

失敗を恐れなくなったらアウトだ。つまりそれは危機意識の欠如ということ。交通量の多い赤信号の交差点に「私は運がいいから大丈夫」とヘラヘラ笑いながら歩を進めていくような暴挙に等しい。

失敗は決して歓迎されない。

しかし、失敗には許される失敗と許されない失敗とがある。

例えば安全や品質,信頼に直結するような失敗は許されようはずもない。

状況に応じて正しく失敗を恐れ、だからこそ正しく備え、許されない失敗はしない。許される失敗なら、正しく恐れながらもリスクを織り込みつつしっかりとチャレンジする。そういう感覚が大切である。

臆病で行動力のない人に対して投げかけられる、リスクを見込んだ上での叱咤激励のワンフレーズとしであれば「失敗を恐れるな」はアリ。

のべつ幕なし「失敗を恐れるな」と激励するのは暴論。よって・・・[✕]


※一般論としての「許される失敗」と「許されない失敗」については下記を参照。


ブログ教材「講師四方山話 ライフワーカーズ」

カテゴリ「◎若者たちへの心路指導」>「☆4.就活から就労へ」

記事 「 4-08.失敗が許されるとき
   「 4-09.失敗の記憶が昇華するとき」 を参照のこと。

以上

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